ダメなものはダメ。

▶『ダ・カーポ』の最終号か、『SHIGT』(今年も怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー)を迷いながら、でもどちらも選ばずに、『東京人 1月号  2008年版 神田神保町の歩き方 』を。ひとつの正解。いずれも値は嵩むものではないのでまとめて購えばいいのだろうけれど、この1週間の間で、文芸誌の新年号や、『ローリングストーン 日本版』(ブルース・スプリングスティーン大特集)がでることもあり、物理的に嵩むため。
ただ、そんな嵩高さをものともせずに買わないのは、やはり両方ともダメだからなんだろうな。『ダ・カーポ』は、せっかくの哀悼号なのに普段着のままだし、ブック・オブ・ザ・イヤーの高橋/斉藤選の作品もほとんど読んでいて新味がない。この手のブックガイドは、数年前の『リテレール』のように、読んではいないけれどたくさんの識者が推薦している本、たとえばあの頃で言うと『エッフェル塔試論』のような本の発見がないことにはあまり読む意味がない。

▶おびえず話せ。話さないことにおびえよ。パラノイドであれ。これじゃあダメだと思え。勤勉であれ。謙虚であれ。かっこつけるな。ジェスチャーするな。台詞を捨てるな。退屈がるな、面白がれ。執着せよ。でもこだわるな。

▶増田の「あなたの「思考停止レベル」はいくつ?は、面白い問題提起ではあるけれど、ようは探究心を弁証法的に発揮できる楽観性があるかないかということだろう。これはかなり大事な話だ。第一声が、否定形だったり、言い訳だったりするとがっくりするよなあ。なあ。

▶「テキスト力、写真力、動画力、構成・編集力をベースにしたWEBサイト構築力」。これ来年の部門方針のひとつに決定。あとは「話そう」とか「3Cで勝つ」とか「自分らしさのクリエイティブ」とか。もう少し考える必要はあるけれど、おおむねこんなところだろう。最後のやつは異論があるかもしれないけれど、ぼくとしては、自社のミッションを理解できないことより、なんか面白くしてやろうという気概が欠如していくことのほうに著しい危機とダメさを感じるため。

▶紅白はやっぱりダメだな。
迎合の見本。批評性もウィットもなーんもない。がんばってエスタブリッシュメントの構造を壊してみようとしたものの、その壊し方があまりにもブロックバスター的で、これじゃあ、音楽版の『恋花』っていわれても仕方がないよ。もっとも、まじめに論じるような話ではないし、まじめに毎年見ているわけではないけれど。やっぱり野球日韓戦の再放送でいいよ。